デジタルカメラの撮影をもっと楽しみたいなら、レンズフィルターを活用してみるのがおすすめです。
フィルターと聞くと、スマホアプリの画像加工を思い浮かべるかもしれませんが、ここで紹介するのは、カメラのレンズに直接取り付ける物理的なフィルターのこと。
光の入り方をコントロールしたり、反射を抑えたり、特定の効果を加えたりと、写真の仕上がりに大きな違いを生み出します。
この記事では、代表的なフィルターの種類とその効果を詳しく解説します。
風景写真やポートレートをワンランクアップさせたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
1. UVフィルター:レンズ保護とクリアな描写に最適
どんな効果がある?
UVフィルターは、その名の通り紫外線(Ultraviolet)をカットするためのフィルターです。
紫外線は目に見えない光ですが、特に山や海などでは写真に影響を与え、霞んだような仕上がりになってしまうことがあります。
UVフィルターを使えば、これを防いでよりクリアな描写が可能になります。
また、もう一つの大きなメリットが「レンズ保護」です。
フィルターを常時装着しておけば、万が一レンズに傷や汚れがつくリスクを減らせます。
こんなシーンにおすすめ
- 風景撮影(特に高地や海辺)
- レンズの保護用として常時装着
2. CPLフィルター(偏光フィルター):反射を抑えて色を鮮やかに
どんな効果がある?
CPL(Circular Polarizer)フィルターは、光の反射を抑えることで、写真のコントラストや色の鮮やかさを引き出してくれるフィルターです。
特に水面やガラスなどの反射を抑える効果があり、透明感のある美しい写真が撮れます。
また、青空をより深い色にしたり、木々の葉の照り返しを抑えて緑を鮮やかに見せたりするのにも役立ちます。
こんなシーンにおすすめ
- 水面の反射をなくしたいとき(湖や川など)
- 青空を濃くして印象的な風景を撮りたいとき
- 窓やショーケースの映り込みを防ぎたいとき
3. NDフィルター(減光フィルター):スローシャッター撮影に必須
どんな効果がある?
ND(Neutral Density)フィルターは、光の量を減らすフィルターです。
明るい環境でもシャッタースピードを遅くすることができるので、以下のような表現が可能になります。
- 滝や川の水を流れるように撮影(スローシャッター)
- 昼間でも背景をぼかしたポートレート撮影
NDフィルターには「ND8」「ND64」「ND1000」などの種類があり、数字が大きいほど光を強く遮ることができます。
例えば、ND1000を使えば、昼間の太陽の下でも数秒の長時間露光が可能になります。
こんなシーンにおすすめ
- 滝や海の水をなめらかに表現したい
- 明るい場所でポートレート撮影(背景をぼかしたい)
- 車のライトの軌跡や街の光を幻想的に撮りたい
4. GNDフィルター(ハーフNDフィルター):空と地面の明るさを調整
どんな効果がある?
GND(Graduated Neutral Density)フィルターは、フィルターの片方が暗く、もう片方が透明になっているのが特徴。
これを使うことで、明るすぎる空と暗い地面の露出をバランスよく整えることができます。
特に夕焼けや朝焼けの撮影では、空の色が飛んでしまうのを防ぎ、鮮やかなグラデーションを残せるので、風景写真を撮る人には必須アイテムです。
こんなシーンにおすすめ
- 夕焼け・朝焼けの撮影
- 明暗差の大きい風景を撮るとき
5. ソフトフィルター:ふんわりとした雰囲気を演出
どんな効果がある?
ソフトフィルターは、画像をほんのりぼかして、やわらかい雰囲気を演出するフィルターです。
特にポートレート撮影で使うと、肌の質感がなめらかになり、やさしい印象の写真になります。
夜景撮影では、光が拡散して幻想的な雰囲気を作り出せるのも特徴です。
こんなシーンにおすすめ
- ポートレート撮影(特に女性や赤ちゃん)
- イルミネーションや夜景を幻想的に撮りたいとき
6. スターフィルター:光をキラキラ輝かせる
どんな効果がある?
スターフィルター(クロスフィルター)は、光の点を星のように輝かせる特殊効果を持つフィルターです。
夜景やイルミネーションをより華やかに演出できます。
こんなシーンにおすすめ
- イルミネーションや街灯をドラマチックに
- ジュエリーなどの撮影にも
7. カラーフィルター:色の補正や雰囲気づくりに
どんな効果がある?
カラーフィルターは、写真に特定の色を加えたり、補正したりするためのフィルターです。
モノクロ撮影時に使うと、特定の色を強調したり、コントラストを調整する効果もあります。
こんなシーンにおすすめ
- 特定の色を強調したいとき
- モノクロ撮影のコントラスト調整
フィルターを選ぶときのポイント
- 撮影目的に合わせる
- 反射を抑えたいならCPL
- スローシャッターを使いたいならND
- ふんわりした雰囲気を出したいならソフトフィルター
- レンズ径を確認する
- レンズによってサイズが異なるので、購入前に確認
- 品質にこだわる
- 安価なフィルターは画質に影響する可能性があるため、信頼できるメーカーのものを選ぶ
まとめ
レンズフィルターを使うことで、写真の表現がぐっと広がります。
まずはUVフィルターやCPLフィルター、NDフィルターなどの基本的なものから試してみて、自分の撮影スタイルに合ったフィルターを見つけてみてください!